町並みの今昔 旅館編

山田駅前(現在の伊勢市駅前)航空写真① 大正時代 油屋支店 宇仁館支店 

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上の画像は山田駅前(現在の伊勢市駅前)の変遷②でもご紹介した大正7年(1918年)8月14日のスタンプ印のある絵はがき「伊勢山田停車場前」です。駅前の左側1軒目が油屋支店で2軒目が高千穂館支店、6軒目が中村屋旅館であり、右側1軒目が宇仁館支店で2軒目が神風館(じんぷうかん)支店、3軒目が松島館でありました。

昭和20年7月の宇治山田空襲により駅前の旅館群は焼失してしまい、戦後に駅前広場や道路が拡張されました。過去の記事で油屋支店や高千穂館支店、松島館などの跡地を「この辺り」という形でご紹介してきましたが、今回は正確にどの辺りに建っていたのかを探ってみたいと思います。

NAKAMURA PHOTO STUDIOから発行された絵はがき「空中ヨリ見タル宇治山田市」の画像です。

宛名面にある掛け線が真ん中にありますので、大正7年(1918年)4月以降の発行になります。

山田駅前辺りを拡大した画像になります。宇仁館支店は大正8年前後に神風館支店敷地を吸収して3階建てになったと推測され、この画像で宇仁館支店はまだ2階建てですのでこの絵はがきは大正7年4月から大正8年ころに撮影、発行されたと思われます。

拡大した画像を半透明にして現在の画像と重ね合わせて、油屋支店、高千穂館、宇仁館支店、松島館の建っていた場所を確認します。大正時代と現在で位置の変わらないものとして参宮線の線路、御塩道(みしおみち)、建物は建て替わっていますが中村屋旅館(現在の中村屋食堂建物)が考えられますので、これらを参考に重ね合わせてみます。

現在の航空写真はGoogle Earthをお借りしました。それでは重ね合わせてみます!

絵はがきの画像が真上からの撮影ではないのと、画像の端へいくほど歪んでしまうので筆者の技術ではこれが限界です(^^;)。

桃色の矢印は戦前の山田駅(伊勢市駅)の入口、水色の矢印は現在の伊勢市駅の入口を指しております。戦前の駅の入口は現在の一般車ロータリー前付近になり、現在の入口より15mほど東寄りにありました。

油屋支店は一般車用ロータリー横にある屋根の付近から県道201号上、東は世木神社の少し手前にかけて建物がありました。

宇仁館支店はタクシー乗り場付近から県道201号上、東側は鳥居付近まで建物がありました。

戦前の駅入口付近からの撮影です。油屋支店、宇仁館支店ともに思っていたより駅舎に近い場所に建っていました。

山田駅前(現在の伊勢市駅前)の変遷③でもご紹介した昭和7年(1932年)1月10日のスタンプ印のある絵画研究会印刷の絵はがき「旅館、土産物店櫛比殷賑を極む山田驛前通り」の画像です。

特に宇仁館が3階建てになった以降は駅を出ましたら、眼前に聳える巨大木造旅館に圧倒されたことでしょう。

出典:探検コム 古い絵葉書の時代判別法

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