夫婦岩(めおといわ)があることで有名な二見浦(ふたみがうら)は古来、清き渚と呼ばれ、お伊勢参りをする参拝者はまずこの浜辺で汐水を浴びて心身を清め、禊祓いをしてから神宮に向かうのでありました。
今回はこの二見浦の最寄り駅、JR参宮線の二見浦駅(ふたみのうらえき)をご紹介します。
大正2年(1913年)7月に二見浦保勝会から発行された「二見名勝誌」に掲載されている「二見浦驛」の画像です。
二見浦駅は明治44年(1911年)7月21日に参宮線が山田駅(現在の伊勢市駅)から鳥羽駅まで延伸したことにより開業しました。上の画像は開業して2年くらい以内の撮影ということになります。山田駅面から鳥羽駅方面に向かう列車が写っています。
「二見浦驛」と同じ角度で撮影したつもりでしたが、少し近すぎたようです。
大正7年(1918年)以前に発行された絵はがき「伊勢二見浦停車場」の画像です。この駅舎が開業当時のものになると思われます。
昭和11年(1936年)6月に東京観栄旅行会から発行された「伊勢参宮及鳥羽.二見浦 記念写真帖」に掲載されている「二見浦駅下車」の画像です。
開業当時の駅舎と比較しますと、庇を支える柱は同じように見えますが、両端が改築されていて、窓も洋風に変わっている感じがします。それとも全く建て替えられているのでしょうか?
昭和44年(1969年)に撮影された二見浦駅の画像です。昭和17年(1942年)7月に駅舎は新装されたようですが、改装程度だったのでしょうか昭和11年当時と同じ建物のようにも見えます。
駅の入口には「歓迎 二見浦」の文字がある立派なアーチが建てられています。
現在の二見浦駅の画像です。現在の駅舎は平成5年2月20日に完成しました。夫婦岩をモチーフにした全面ガラス張りの駅舎です。前々回の式年遷宮に合わせて建て替えられたと思われます。
最近まで昭和44年当時にあったアーチの後釜として大鳥居型のモニュメントがあったのですが、現在では撤去されています。2023年8月2日頃に撤去されたようです。
名古屋行きの「快速みえ」です。画像の奥が鳥羽駅方面です。
上の画像よりさらに鳥羽駅方面から撮影した画像です。昭和の時代、二見浦は修学旅行などの団体がたくさん宿泊したので長大編成の臨時列車も多かったのでしょう、柵の奥には現在は使われていない長いホームがあります。
画像の1番に奥に小さく見えるのが参宮線で唯一のトンネル「江のトンネル」です。江(え)は漢字も読みも1文字の地名なので「の」が入っているようです。
二見では毎年恒例の「おひなさまめぐりin二見」が開催されていて二見浦駅の構内にもひな人形が展示されています。
出典:大正2年 二見浦保勝会発行 二見名勝誌、昭和11年 東京観栄旅行会発行 伊勢参宮及鳥羽.二見浦 記念写真帖、二見興玉神社ホームページ、wikipedia