今回は嘗て外宮参道にあった旅館 大和館(やまとかん)をご紹介します。
大和館は明治44年(1911年)に東京人事興信所が発行した「明治44年後期 旅館要録」に「驛前 大和屋」とその名前が確認できます。インターネット上の文献、筆者所有の文献を含めてこれが一番年代の古いものになり、少なくとも明治44年までには開業していました。
大正時代中期に発行された大和旅館発行のチラシの表紙の画像です。大きさは縦27,2cm、横19,8cmです。
チラシを見開いた状態の画像です。説明文を読みますと学校の修学旅行を中心に受け入れていたようで、外宮のすぐ近くで、内宮・二見行き電車の乗降場が目の前ということをアピールしています。
チラシの「大和旅館全景」を拡大してみました。画像は少し不鮮明です。
絵はがき「旅館 大和館 本館正面」の画像です。チラシの「大和旅館全景」と比較しますと1階の軒上に丸い電灯が設置され、2階、3階の客室の窓がガラス張りになっています。400名を受け入れることができたそうなので本館、別館含めてかなり大きな旅館だったと思われます。
昭和4年(1929年)の元旦に送られた大和館本店発行の年賀状の画像です。大和館本店とありますが、支店は鳥羽にあったようです。
神都線 山田駅前跡 伊勢市駅前でもご紹介した昭和34年(1959年)6月に撮影された伊勢市駅前の外宮参道入口の画像です。アーチに旅館や店舗の看板が並んでおり「旅館大和館」の看板もあります。
その後、大和館は廃業して跡地には大和ビルが建っており、「若松屋」さん、「伊勢角屋麦酒」さんなどの有名店が入っています。
明治38年(1905年)創業の伊勢かまぼこの「若松屋」さん。かまぼこ、さつま揚げ、チーズ棒などを販売しています。
若松屋さんのエビマヨ棒を買ってみました。お酒にも合い美味しいです!
左隣りの伊勢角屋麦酒(いせかどやびーる)さんの画像です。本店は以前ご紹介した二軒茶屋にあります。
伊勢角屋麦酒では伊勢志摩限定の地ビールを買うことができます。エビマヨ棒と地ビールで、最高です!!!
出典: 明治44年 東京人事興信所発行 明治44年後期 旅館要録