外宮(げくう)の北御門(きたみかど)から歩いて5分くらいのところに戦前に11年8ヶ月だけ営業をしていた伊勢電鉄→参宮急行電鉄→関西急行鉄道と変遷した鉄道の終着駅・大神宮前駅(だいじんぐうまええき)の跡があります。北御門を出ますと、左側にNTTの建物があります。
信号まで進んで左折しNTTの横を通り過ぎ、ファミリーマート伊勢外宮西店のある信号を左折すると、オレンジ色のレンガ造りのビルがあります。
ビルに近づき、右側を見ると駅名標を模した看板があります。
看板の表側の画像です。
看板の裏側には説明文があります。
昭和6年から昭和8年ころに絵画研究会から発行された絵はがきセットにある大神宮駅前の画像です。駅入口付近の画像だと思われ、駅舎は平屋のようです。駅舎のあった位置、方角は不明ですが、外宮北御門に近いところにあったと思われますのでNTTの敷地内になるでしょうか。
大神宮前駅(だいじんぐうまええき)は伊勢電鉄の終着駅として昭和5年(1930年)12月に開設されました。経営難に陥った伊勢電鉄は昭和11年(1936年)に参宮急行電鉄(現近鉄)に吸収合併されました。このときに参宮急行電鉄の伊勢へ乗り入れる路線が山田線・参急中川駅(現伊勢中川駅)~宇治山田駅と伊勢線・江戸橋~新松阪駅~大神宮前駅の2路線になってしまいましたが、軌道の幅が違ったことなどから、しばらくは運行は続けられました。
昭和16年(1941年)には参宮急行電鉄は大阪電気軌道と合併し関西急行鉄道となり、昭和17年(1942年)8月には不要不急路線に指定され、新松阪駅~大神宮前駅は廃止されてしまいました。
昭和6から昭和8年ころに発行されたと思われる伊勢電鉄発行のパンフレットの表紙です。
パンフレットに記載されている宇治山田市(現伊勢市)の交通略図です。略図上に参急電車(現近鉄)の外宮前駅とありますが、現在の宮町駅であります。昭和8年(1933年)に外宮前駅から宮町駅に改称したそうです。
高千穂館発行の伊勢電鉄時代(昭和11年以前)の大神宮前駅の時刻表です。当時の定食や親子丼・ビールなどの価格表も記載されていますので、興味深いですね。
出典:wikipedia