町並みの今昔 二見浦編

海水浴旅館 二見館跡 御福餅新店舗 二見浦 賓日館

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2024年4月6日撮影

二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)にある夫婦岩(めおといわ)の画像です。夫婦岩と呼ばれるようになったのは明治期以降で、それまでは立石(たていし)と呼ばれていました。そうしたことから、この周辺の浜を立石浜と呼びます。

立石浜は東の果てにある神々の国・常世の国から打ち寄せる波が最初に届く聖なる浜とされ、古来より神宮参拝の前に浜参宮と称してこの浜で身を清めるのが習わしでした。

明治15年(1882年)10月に時の内務省衛生局長により禊場であった立石浜に日本初の国指定海水浴場が開設されました。

昭和6年以降に海水浴旅館・二見館から発行された3枚組の絵はがきのうち「伊勢参宮の栞」の画像です。

その後、海水浴客が増加したため、明治17年(1884年)に海水浴場は二見館前の砂浜に移設されました。当時の海水浴は浴治といって医療が目的で、海水に直接浸かる冷浴と海水を温めて入浴する温浴がありました。そしてこの二見館が海水温浴場を開設した最初の旅館になりました。

同じ三枚組絵はがきのうち「二見館全景」の画像です。画像の右側が二見館本館で左側が別館・賓日館(ひんじつかん)になります。

賓日館は伊勢神宮に参拝する賓客の休憩・宿泊施設として、明治20年(1887年)に神苑会によって建設されました。明治24年(1891年)7月29日から3週間余り、ご幼少時の大正天皇が避暑や療養、水泳訓練などを兼ねて滞在されたのをはじめ、歴代諸皇族や各界要人が数多く宿泊されました。

大正後期から昭和初期ころに二見館から発行された上記とは別の3枚組絵はがきのうち「二見館(1)本館正面」の画像です。

同じ三枚組の絵はがきのうち「二見館(2)別荘賓日館正面」の画像です。

明治44年(1911年)2月に三重県初の政府登録国際観光ホテルになっていた二見館に賓日館は払い下げられました。

現在の賓日館の画像です。賓日館は平成9年に国の有形登録文化財に指定にしてされ、平成11年(1999年)に二見館の廃業に伴い、宿泊施設としての役割を終えました。平成15年(2003年)に賓日館は二見町に寄贈され、資料館として開館しました。

平成22年(2010年)6月には国の重要文化財に指定されています。

二見館本館は令和元年(2019年)末に解体され、本館跡は長らく更地でした。昨年秋より工事をはじめ、3月31日に御福餅本家の新店舗が開店しました。

店舗入口のある北西側から撮影。

新店舗内のカフェスペースでお福餅の3種盛をいただきました。落ちついた広い空間で、ゆっくりと寛げました。

店舗名は御福餅ですが、売っているお餅は「お福餅」です。

出典:賓日館ホームページ、御福餅本家ホームページ

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