町並みの今昔 商店編

山田駅前(現在の伊勢市駅前)航空写真④ 菊一文字金近 駒屋観月堂 近鉄タクシー

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前回、山田駅前(現在の伊勢市駅前)航空写真③では大正7年(1918年)から大正8年ころに撮影された絵はがき「空中ヨリ見タル宇治山田市」に写る建物の屋号を外宮参道中程まで書き入れてみました。今回は外宮寄りの残りの建物の屋号を書き入れてみたいと思います。

前々回、山田駅前(現在の伊勢市駅前)航空写真②でご紹介した昭和6年(1931年)から昭和12年(1937年)ころにかけて発行されたチラシ「汽車、電車、時刻表」の裏面の画像です。

前回でもご紹介した昭和28年(1953年)から昭和33年ころに伊勢本通り会が発行したパンフレット「国立公園 伊勢」にある地図のうち屋号の一覧表の画像です。屋号の並びは航空写真とは上下が逆になります。

左側の伊勢屋⇒勢州館⇒ヒナヤ食堂の場所から御塩道を挟んで旅館・大黒屋がありました。現在は太陽宝飾さんになっています。

その次が昭和初期には林商店、昭和28年ころは大山真珠で現在でも同じです。

その次が現在でも「伊勢 菊一」として営業されている明治40年創業の菊一文字金近(きくいちもんじ かねちか)です。

昭和6年5月に地元・有文堂書店から発行された「神都 宇治山田市街地図」の外宮参道付近を拡大した画像です。

航空写真が撮影されたときには開通していなかった菊一文字金近の右側の道路は昭和6年ころまでには開通していたようで、道路開通のために菊一文字の建物は大きく削られて現在のような三角形になったと思われます。

伊勢河崎商人館を目指して歩く①でご紹介した昭和34年6月に撮影された菊一文字前の画像です。左隣りの大山真珠さんの建物もこのときはまだ木造ですね。

昭和6年から昭和12年ころに発行された菊一文字のチラシの表紙の画像です。

チラシ裏面の画像です。時刻表の左右には「お伊勢みやげに菊一文字 金をつこうて刃物(かね)のこせ」、「刃物買ふなら菊一文字 使ふ心で作った品を」という標語のような文句が書かれています。

チラシを開いた画像です。下の方には「各地に菊一文字類似商号を以て刃物を販売する店あり 登録商標にご注意を乞」と書かれていますので、紛らわしい店がたくさんあったのでしょう。

大正後期から昭和初期にかけて開通した道路を挟んで、次が駒屋観月堂で現在も営業されています。菊一文字と同様に道路開通のために土地が三角形になったと思われます。

駒屋観月堂さんから2軒現在はお店をされてないお宅を挟みまして、昭和初期は今村商店で昭和28ころのパンフレット「国立公園 伊勢」では竹屋物産店になっていますが、昭和27年(1952年)1月に産業振興会から発行された「宇治山田市街図」では「南勢タクシー」になっており、現在では近鉄タクシーになっております。

以上の資料をもとに「空中ヨリ見タル宇治山田市」の外宮参道中程の画像に屋号を書き入れてみました。

次回、航空写真シリーズの最終回、山田駅前(現在の伊勢市駅前)航空写真⑤に続きます。

出典:伊勢菊一 ホームページ、昭和6年 有文堂書店発行 神都宇治山田市街地図、昭和27年 産業振興会発行 宇治山田市街図、平成30年 秋田耕司著・発行 宇仁館物語

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