町並みの今昔 旅館編

五二会ホテル跡 五二会館商品陳列所跡 虎尾山 地蔵院

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外宮方面から古市参宮街道を進み、小田橋(おだのはし)を渡って尾上町(おのえちょう)に入り、しばらく進むと右側にローソン伊勢尾上町店があります。

ローソン手前の右側にある路地の先にS字状の坂があり、その坂の上に住宅街がありますが、その一帯が五二会(ごにかい)ホテル跡になります。

昭和6年(1931年)に有文堂書店から発行された「神都 宇治山田市街地図」の尾上町付近を拡大した画像です。虎尾山(とらおやま)の北東側に「五二會ホテル」とあります。

大正中期以降に発行された「伊勢山田 五二会ホテル」の絵はがきの画像です。ホテル玄関の画像になりますが方角や正確な場所はわかりません。建物は三層楼で室数42室あり、建坪は442坪でありました。

五二会ホテルは明治32年(1899年)8月に営業をはじめました。大正4年(1915年)に京都・都ホテル山田支店となり、大正5年10月に宇治山田市が買収して都ホテルに貸し付ける形で営業を続けました。大正8年(1919年)5月に宇治山田市は日清・日露戦役記念碑建設会に譲渡しました。

ホテル玄関の絵はがきとセットと思われる「伊勢山田 五二會ホテル庭園ノ一部」の絵はがきの画像です。

同じく「伊勢山田 五二會ホテル大廣間」の絵はがきの画像です。大広間は70坪ありました。五二会とは織物・陶器・銅器・漆器・製紙の5品に彫刻・敷物を2品を加えた伝統的な輸出工芸品7業者の団体で明治27年(1894年)に設立されました。

五二会ホテルがあった場所辺りから撮影した伊勢市街の現在の画像です。

東郷平八郎、伊藤博文、新渡戸稲造らも宿泊した五二会ホテルでしたが、昭和35年(1960年)に解体され、昭和37年に伊勢市川端町(かわばたちょう)の地蔵院(じぞういん)の本堂の一部と玄関に移築されました。

現在の地蔵院の玄関の画像です。地蔵院は伊勢市駅方面からですと県道37号線の度会橋(わたらいばし)を渡り、ガソリンスタンドを過ぎたところの斜め左の道路に入り300mほど進んだ右側にあります。

明治36年(1903年)に神洲堂より発行された「伊勢名所案内」にある「五二會館商品陳列所」の画像です。五二会館商品陳列場(所)は五二会ホテル開業の少し前の明治32年1月に開場し、木造二階建てで建坪が237坪あったそうです。

五二会館商品陳列所のあった場所の現在の様子です。古市参宮街道沿い、ローソン手前の路地の右側になります。

出典:明治30年 古川小三郎発行 伊勢参宮案内、昭和61年 国書刊行会発行 ふるさとの思い出写真集 明治大正昭和 伊勢二見小俣、平成28年 伊勢商工会議所 (有)伊勢文化舎 改定新版 検定お伊勢さん、明治36年 神洲堂発行 伊勢名所案内、昭和56年 古川書店発行 中川竫梵著 伊勢古市の文学と歴史 、昭和6年 有文堂書店発行 神都 宇治山田市街地図、三重県ホームページ、wikipedia

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