御塩殿神社①の続きです。
御塩殿の右後方には御塩御倉(みしおのみくら)があります。御塩御倉は焼所で得られた粗塩を保管する倉庫で、8月に作られた粗塩はここに保管されます。
御塩殿の右側に御塩焼所(みしおやきしょ)・御塩汲入所(みしおくみいれしょ)への案内立て札が立っています。
立て札の矢印の方向に進むと幅1mほどの砂地の道があり、少し進むと二股に分れているので左側に進みます。さらに進むと茅葺きの建物が見えてきます。
右前の建物が御塩汲入所で左奥の建物が御塩焼所になります。
御塩汲入所の別角度からの画像です。御塩汲入所は御塩浜(みしおはま)から運ばれた鹹水(かんすい・塩分を含んだ水のこと)を壷で保管する倉庫で、建築様式は天地根元造(てんちこんげんづくり)と呼ぶそうです。
御塩焼所は鹹水を鉄鍋で一昼夜煮詰めて、粗塩を得る施設で、建築様式は御塩汲入所と同様の天地根元造であり、御塩汲入所より大きい。
御塩浜は御塩殿神社から1,5kmほど離れておりますので、車で移動する場合は国道42号線に戻り伊勢市街方面に進みます。汐合大橋東詰の信号交差点を右折して500mほど進むと御塩浜が見えてきます。御塩浜は御塩殿神社に付属する塩田で、社殿はないのですが鳥居はあります。
毎年7月下旬の土用のころの満潮時に五十鈴川の堤防に設けられた水門を開き、御塩浜を塩分濃度2%程度の五十鈴川の汽水で満たし、炎署の天日で水を蒸発させ、塩分濃度20%前後の鹹水を得ます。
鳥居から見た御塩浜。
堤防道路を挟んで五十鈴川上流(内宮)方面を撮影。水色の橋が汐合大橋です。
出典:平成28年 伊勢商工会議所・(有)伊勢文化舎発行 改訂新版 検定お伊勢さん公式テキストブック、wikipedia